パレートの法則、働き蟻の法則とは?【ロングテール法則との相違点は?】

こんにちは!オタマロです。

ビジネスをしている中で、「パレートの法則」と言う言葉はよく耳にするかと思います。

マーケティングを始め、事業を営む上で非常に重要な法則です。

今回は、パレートの法則(働き蟻の法則)について解説をしていきます。また、後半ではロングテールの法則との関係性についても解説をしていきます。

ビジネスだけでなく、様々な事象に応用できる法則であります。みなさんの参考になれば幸いです!

・パレートの法則の概要を知りたい方
・パレートの法則とロングテールの法則の関係性について知りたい方
・パレートの法則は知っているが、具体的にどう対策を立てればいいか知りたい方
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パレートの法則(働き蟻の法則)の概要について

「パレートの法則」とは、上位20%の層が、結果の80%を生み出している状況を指します。

パレートの法則のイメージ

なお、論理や理論があるわけではなく、ビジネスや生活の経験則から導き出された法則であります。

皆様もこの法則に当てはまる実体験をされていることかと思います。身の回りを分析してみると、意外とパレートの法則に収束していくことが多いことに気付かされます。

例えば・・・

・上顧客20%が売上全体の80%を生み出している
・仕事の20%が全体の80%の成果を生み出している
・ブログの上位20%の記事が、全体の80%の収益を生み出している

このように、一部の層が全体の大半に影響を与えている状況はよく発生します。

同じような法則に、「働き蟻の法則」という法則があります。別名「2:6:2の法則」とも言います。

働き蟻の上位20%はとても良く働きます。中位60%はそこそこ働きます。下位20%は全く働きません。働き蟻の上位20%がコロニーの仕事の大半を行なっており、成果の大半が上位20%の働き蟻から生み出されます。

上位20%の働き蟻だけを抽出したコロニーを作れば、さらに効率が上がると思いますが、実際はそうはなりません。上位20%の中で、さらに「2:6:2の法則」が適用されてしまい、全く働かない蟻が出てきてしまいます。

会社も同じで、上位20%の社員が会社全体の成果の大半を生み出すものの、下位80%の社員はそれほど目立った成果は出せません。しかし、上位20%の社員だけ集めると、その中でサボる人間が出てきてしまいます。

しかし、下位20%の層にも役割があります。上位20%が疲れてしまった場合、そのサポートをするための待機要員としての役割です。下位20%の要員も組織全体としては必要であると言うことです。

少し脱線しましたが、少数の上位層が全体の大半の成果を生み出すという構造は、自然界でもよく見られる事象であります。

パレートの法則を踏まえた具体的な戦略・戦術について

パレートの法則を知っていると、その法則に応じた戦略・戦術を打ち出すことが出来ます。

上位20%の層と下位80%の層でアプローチ方法を変えるというのが代表的な手法です。

限られた経営リソースで最大の成果を上げるためには、リソースの最適配分が必要となります。上位20%にヒト・モノ・カネといった経営リソースを注ぎ込むことで、成果を最大化することが期待出来ます。一方、下位80%の層に対しては、抑制したリソースで成果を維持するという戦略を取ることで、効率的な経営をすることが可能となります。

具体的には、上位20%の顧客に対しては、対面営業や特典を相対的に多くつける施策が検討出来ます。

下位80%の顧客に対しては、DMやコストのかからない特典に絞るなどが検討出来ます。

パレートの法則上は、成果を出しにくいセグメントに大量のリソースを注ぎ込むことは非効率となるため、避けるべきです。

また、パレートの法則は仕事の実務でも活かすことが出来ます。

仕事のアウトプットの大半は最初の20%の作業量で決まると言う考え方です。資料の完成まで20%の時点で、その資料の成果の80%を生み出しているという考え方です。

資料の20%までは本気を出して、その後上司レビューを受けて80%を埋めていく作業に切り替えることで、仕事を効率的に進めることが出来ます。

勉強やテストでも80点から90点まで引き上げるのは難しいですが、0点から10点は比較的容易に積み上げることが出来ます。スタート時点に最大のエネルギーを投下することで、仕事を効率的に進めることが出来ます。

パレートの法則の崩壊?ロングテールの法則について

ここからは、ロングテールの法則についてもご紹介していきます。私は、パレートの法則と、ロングテールの法則は相反する考え方であると思っています。

ロングテールの法則のイメージ

「ロングテールの法則」とは、下位80%の積み上げが市場の大半のシェアを占めると言う考え方です。「ちりも積もれば山となる」と言う考え方です。

近年、アマゾンやグーグルを筆頭に、大量の商品、情報を活用したサービスが広がってきました。顧客の価値観が多様化する中、上位シェアを独占することは非常に難しい時代になって久しいです。

さらに、従前はコミュニケーションリソースが限定的でしたが、ネットが広がることでコミュニケーションコストが著しく下がってきました。下位顧客に対しても安価なコストでアプローチできるようになったため、費用対効果が改善しています。

また、ネット店舗では商品陳列のリアルスペースが不要です。無限に商品を陳列することが可能となりました。

そういった状況の中、売れ筋商品ではない、死に筋商品を積み上げることでも、利益を生み出すことができるようになりました。

ロングテールの法則には様々なメリットがあります。

1つ目が、売上が安定することがあります。多数の商材で戦うことになるため、リスク分散ができていると言い換えることも出来ます。

2つ目が、不良在庫がへると言うことです。潜在的に全ての商品が売れ筋になり得るため、不良在庫のリスクが減ります。

3つ目が、コスパに優れていると言う点です。限界費用が低いモデルであるため、事業規模が小さい事業でも成立しやすいです。

従前は、「パレートの法則」で戦略を立てるのが一般的でありましたが、ネット、webマーケティングの世界では「ロングテールの法則」で戦略を立てることが一般的になっています。

ここまでのパレートの法則と、ロングテールの法則の比較表は以下のとおりです。

概念戦略の狙い課題
パレートの法則上位20%が成果の80%を生み出す。集中的なリソース配分により、シェア、売上の拡大・リスク分散が難しい
・コミュニケーションコストをかけすぎる危険
ロングテールの法則下位80%の合計が成果の大半を生み出す。安価なコミュニケーションコストや、スペース制限の撤廃を背景に、
小規模シェアを積み上げる
・在庫が減るため、チャンスロスが発生しうる

今後は、リアルのデジタル化(OMO)の進展が想定されることから、より「ロングテールの法則」の重要性が増していくことが想定されます。リアル店舗だけのマーケティングでは成り立たないのが現状です。それぞれの課題を改善することが、競争優位性を持つヒントになっていきます。

パレートの法則のまとめ

ここまで、パレートの法則を中心に、働き蟻の法則、ロングテールの法則について解説をさせていただきました。

結論、パレートの法則が正しい、ロングテールの法則の方が優れているということはありません。

個人でも、事業でも、それぞれの市場・競合によって、採用すべき戦略は異なります。あくまで、「法則」はオプション、手段に過ぎません。

自分の市場に適した戦略を見つけるフレームワークも記事にしておりますので、合わせてご確認いただけばと思います。

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ノウハウを知っているかいないかでは、戦い方も変わってきます。皆様のお役に立てましたら幸いです!

 

 

 

 

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