とにかく物を買わない生活のコツをご紹介します【セール品を買ってはいけない理由】

こんにちは!オタマロです。

年末年始や7月は各所店舗や商業施設でセールが始まり、少しお財布の紐もゆるくなる時期かと思います。

私は、過去、福袋やセールの企画等を本業で企画していたこともあります。

今回は事業者側の視点から、福袋やセール品の仕組みについてご紹介をさせていただくとともに、セール品を買ってはいけない理由についてご紹介させていただきます。

アパレルの裏側を知りたい方、セール品を買いたいけど不安を感じている方のご参考になれば幸いです!

・セール品がお得なので、ついつい買ってしまう浪費癖がある方
・セール品が本当にお得なのか知りたい方
・賢くお買い物を楽しみたい方

セール品を買ってはいけない理由

そもそも、事業者側がセールや福袋を行う理由をご存知でしょうか・・・?
よく言われているとおり、「在庫処分」であると思われている方が大半であると思います。

確かに、これは一部正解です。冬物は早いところで10月から販売を開始しますが、これの売れ残り在庫を、値下げして在庫を減らすというのが大きな目的です。

アパレル系の会社は2月本決算の会社が多いことから、1月のバーゲンの結果は決算結果に大きく影響を及ぼします。各社、ここで大きな売上を作る必要があります。

この、「売上を作る」というのが実はもう一つの理由に繋がっていきます。私自身、企画をやっていた立場として非常に心苦しかったのですが、セール品の実に半分はセール用の専用商材を売っていました。

「在庫処分」ではなく、「新規売上」のために別商材を用意しているのです。これは、タグを見ればすぐ分かります。もともとの値札タグに%OFFシールが貼られているものは単純に「在庫処分」です。一方、最初から値札タグにSALEが印字されているものはそもそもSALE専用の商材になります。

どことは言いませんが、これは大手アパレルでは当たり前のようにやっております。当然、商品の品質は、SALE品は見劣りします。縫製の仕方から、タグの縫い付け等、コストを絞った製品であり、寧ろブランド代分が割高の商品となっています。

年末年始のバーゲンは、お客様が1年で一番集まる時期であります。そこで集まるお客様の大半は、「品質を重視される方」というよりは、「価格を重視される方」です。そんなお客様がいる中、事業者側としては、あたかも安くなっているかのような割高の商品を売ることで、年度末の売上を作り出そうとしている構図となっています。

お得にお買い物したいという消費者の下心をうまく利用して、「利益率の高い商売=割高の商品を販売すること」が常套化しています。

セール品を賢く選ぶコツについて

とはいえ、消費者側としてもセールの高揚感を楽しみたいことは否定するつもりはありません。自分の気に入った商品を割安で買えた時の高揚感は、代替し難い心理的な価値があると思っています。そこで、賢くセール・福袋を乗り切るコツについてご紹介させていただきます!

まず、一番大切なのが、事業者側(セール企画者、店舗スタッフ等)と個別の関係を結んでいくことです。

12月ごろから、目星の商品を見つけておいて下さい。そしてその商品を取り置きしておいてもらうよう交渉してみて下さい。普通は断られます。売価が下がる前に売り切ってしまいたいのが、事業者側としては当然の対応です。

しかし、一方で、お得意様には特別に取り置きをしているのが、多くの店舗での慣習になっています。馬鹿みたいな話ですが、月売上以上に、バーゲン商材の消化率の方が店舗評価に繋がるブランドもあるため、そういった店舗は寧ろ取り置きを喜ぶ傾向があります。

正直、私も知り合いから頼まれれば、すぐに取り置きしていました。私の以前の勤務先では利益率は評価対象ではなかったため、売上が取れればOKという感じでしたので・・・。

次に大切なのが、会員限定のプレセールに参加することです。多くの店舗で、シークレットセールと言われる事前セールを開催しています。これは、DMなどで案内があるかと思いますが、ここに出ている商品は本当に「在庫処理」の商品が並ぶことが多いです。逆にいうと、このタイミングで「在庫処理」を完了させ、本セールで「SALE商品」を捌くというのが常套手段になっていることが多く、実際、本当にお得な商品はシークレットセール期間にしかないと考えてもいいかと思います。

シークレットの取り置き、もしくは、シークレットセールを活用した場合、かつどうしても購入した商品がある場合のみセール品を購入する価値があると言えます。

セール・福袋、もうやめませんか・・・?

ここからは、私の考察になりますが、本当にこの時期のお客様と店舗側の攻防が不毛であると感じています。

そもそも、「在庫処分」をする必要があるくらいの在庫を持ってしまっていることが悪です。「在庫処分」ありきで商品を作ることは、環境にも悪いのは明白です。

このコロナ影響の中でも一斉セールを取りやめる機運はありません。衣料品が売れない中、今年はセール結果が死活問題であることは理解できますが、お客様にリスクを取らせてまでやるべきことでしょうか・・・?

また、これはずっと思っているのですが、昨日までプロパー品であったものが翌日値引きになることに関して、顧客に対する裏切りだと思っています。プロパー品を買うお客様と、値引き後の商品を買っていただくお客様と比較した際、大切にしなければならないお客様は前者です。本当に商品の価値を理解いただき、相応の対価を支出いただく方をなぜ裏切る必要があるのでしょうか・・・?

私は、セール、福袋には明確に反対の立場です。

対案を作るのは難しいのですが、例えば、在庫予測を徹底させたAIの導入、セール価格を織り込んだプロパー商品の価格設定、顧客間でのシェアリングサービスの拡充等が対案としては想定できるかと思っています。

中長期的に、このセールという慣習は廃れていくはずです。提供者、消費者にとって、合理的に考えてデメリットが多すぎます。

しかし、ドラッグと同じで、一度やってしまうと、やめられないというものであります。一日でも早く、業界がこの矛盾に真剣に向き合うことで、消費の波動を平準化する努力をしていくべきだと思っています。

セール品を買ってはいけない理由のまとめ

原則、セール、福袋には参加すべきではないと思います。

セール・福袋は、事業者側の思惑が強く入り過ぎているため、結果として、いいお買い物はできません。一方、とはいえセールの高揚感を楽しみたい方は、賢くお買い物計画をたてることで、この期間を乗り切ることもできるかと思います。

業界全体のこの空気感を変えるためには合理的で賢い思考を持つ皆様がセールに参加しないことが密かな叛逆に繋がっていくと信じています。

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