生涯賃金と学歴の関係性について【高卒の方が大卒よりコスパよい?】

こんにちは!オタマロです!

今回は、生涯賃金と学歴の関係性についてご紹介します。

一般的に、「大卒・院卒」は生涯賃金が高くなる傾向にあると思われている方が多いと思います。

一方、大卒が約60%を超える現在において、その「学歴」は価値を生むと言えるでしょうか?

今回は、あまり知られていない、生涯賃金と学歴の関係性の詳細についてお伝えさせていただきますが、これから就職活動をされている方、受験勉強をされている方のご参考になれば幸いです!

生涯賃金と学歴の関係性について

まずは、以下のグラフをご確認ください。こちらは、引用資料からの抜粋ですが、「学歴」別の生涯賃金を表したものです。

学歴別生涯賃金

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2018/documents/useful2018.pdf

ユースフル労働統計 労働統計加工指標集 独立行政法人 労働政策研究・研修機構

大卒・大学院卒の男性生涯賃金の平均は約2.7億円である一方、高校卒は約2.1億円と、約0.6億円の生涯賃金格差が発生しています。

この結果が、多くの方が認識されている学歴と生涯賃金の関係性であると思われます。

学歴が高くなるに従い、年収が上がっていくということはイメージしやすいかと思います。

しかし、ここには大きな見落としがあると思っています。

企業規模と学歴の関係性について

企業規模別×学歴別の生涯賃金の比較

業規模別・学歴別の生涯賃金

同じ参考資料からの抜粋となりますが、「企業規模別×学歴別の生涯賃金」をグラフにしたものです。

全体としては、先述のとおり、大学・大学院卒の生涯賃金が優位となっています。

しかし、最も差があるのは1000人以上の企業規模の大企業となっています。

999人以下の企業規模については、差が小さくなっていることが分かると思います。

つまり、大企業では「学歴」による影響が発生しやすく、中小企業では「学歴」による影響が発生しにくいことがわかります。

同一企業型の生涯賃金の比較

 

同一企業方の生涯賃金

 

さらに詳細に見ていきます。同一企業型の生涯賃金の比較です。退職まで同一の企業に勤務し続けた場合の比較値です。

中小企業になるほど、倒産リスクが発生するため、学歴による賃金格差は縮小し、999人までの企業規模では高卒と大卒の差は約15百万円しかありません。

15百万円の賃金増に対し、奨学金という名の借金を抱え、上京後の高額な生活費を負担することにどれだけの経済メリットがあるでしょうか?なかには生涯賃金としてはマイナスに転落してしまうリスクもあります。

また、1,000人以上の企業規模の会社は、全企業の内約25%しかありません。

大学を卒業しても、企業規模上位25%の会社に就職できなければ、学歴の優位性は相対的に小さくなってしまいます。

結論、大卒は本当に生涯賃金が高いと言えるのか?

以上のデータを見る限り、従業員1,000人以上の大企業に就職しない限り、大卒は人生で経済的に損をするリスクが高いです。

結構皆さん知らない事実であったかと思います。特に地方私立大学→地方企業に就職を考えている方は非常にリスクの高い選択をしていると言えます。

生涯賃金を上げるための大学選び

ここからは、就職活動の話になります。

新卒一括採用が続く中、大量の学生を一括で選抜するために、「学歴フィルター」なるものが存在します。

一定以上のレベルに満たない大学の学生は、採用面接を受ける前に除外されてしまうため、選考に進むことができません。

大規模な会社になればなるほど、この傾向は顕著となります。

生涯賃金を上げるためには、少なくとも学歴フィルターにかからないレベルの大学に進む必要があるという結論になります。

大学進学率は冒頭の通り、60%近くに増加しています。しかし実際、この学歴フィルターを超えられる大学は限られてきます。MARCHレベル未満の大学はこのフィルターを超えられないというのが実感です。

MARCHレベルの偏差値平均が仮に60だとすると、大学進学者の上位約15%に該当します。

つまり、MARCH以下のレベルである下位85%の学生は、大企業を受験するチケットすら渡されない可能性があり、生涯の費用対効果が悪化する可能性が高まります。

大学で学ぶことの目的の再確認と、大学の将来

ここまでの話の中で、「大学は就職予備校ではない!」という反論もあるかと思います。

私はその考え方には大いに賛成です。

大学は「研究機関」であり、就職ノウハウを教える場所ではありません。

問題なのは、大学に「就職力」を期待している学生にあると思います。そもそも、大学で何を学び、何を人生に生かしていくかを検討し、大学に通うべきです。

今回、ご紹介した事実が広まると、大卒ブランドの価値が相対的に低くなり、高卒人気が高まると思っています。

その先は、大学の淘汰が発生します。

本当に就職に有力な大学ブランドは、一定の価値を持ちますが、一定以下の大学は学生のニーズを満たせなくなります。私立大学の中には、倒産する大学も出てくるでしょう。

大学は、一刻も早く「就職力」という麻薬から脱却する必要があると思っています。

まとめ

今回は、学歴別、企業規模別の生涯賃金をご紹介させていただきました。

お伝えしたいことをまとめると以下のようになります。

・学歴が高いほど生涯賃金は高くなる。

・就職する企業規模が小さいほど、生涯賃金増加効果は小さくなる。

・大企業は全体の25%しかないのにも関わらず、大学進学率は60%と増加傾向。

・大学ブランドが低いと、大卒の生涯賃金増加効果は享受できない。

・自分の学力を見極めて進学するか否かは検討すべき。

なんとなく勉強して、なんとなく大学に行くことで、安定した生活が送れるというのは幻想でしかありません。

費用対効果を今一度考えながら、自分の進学先、就職先を決めるきっかけになりましたら幸いです!

就活生はこちらもご参考にしてみて下さい!

関連記事

今回は、就職活動中の学生の皆様に向けて、大企業に入社すべき理由についてご紹介させていただきます!なんとなく、安定しているから、給料が良さそうだから、名前を知っているから、福利厚生がしっかりしてそう・・・など、まずはイメー[…]

 

 

twitterやってます!