ファイブフォース(5フォース)分析とは?具体的なコツ・活用方について解説します!

こんにちは!オタマロです。

今回は、経営学者マイケル・ポーター氏が提唱したファイブフォース分析について、具体的な活用方を解説させていただきます。

ファイブフォース分析は、マーケティング分析を進めていく中での序盤に実施すべき外部環境分析のフレームワークです。市場の魅力度を分析することで、事業の方向性や新規参入、撤退を判断する上で分析は必須となります。

他記事でもご紹介しているPEST分析がマクロ的な外部環境分析であるとすると、このファイブフォースはよりミクロ的な要素を含んだ外部環境分析であるといえます。

ビジネスマンとして最低限把握しておくべきフレームワークの1つでありますので、ご参考になれば幸いです!

【他のフレームワーク分析を先に知りたい方はこちらもご参考にしてみてください】

関連記事

こんにちは!オタマロです。今回はマーケティングの父であるフィリップ・コトラーが提唱するPEST分析について、具体的な取り組み方について解説させていただきます。PEST分析は自社を取り巻くマクロ環境を整理することで、事業の戦略[…]

関連記事

こんにちは!オタマロです。今回は、マーケティングの超基本である「3C分析」について、具体的な内容と分析のコツについて解説させていただきます!この「3C分析」という手法は、大前研一さんが、1982年に「The Mind of […]

関連記事

こんちには!オタマロです。今回は、1960年代から1970年代にかけてスタンフォード研究所を率いたアルバート・ハンフリー氏が提唱したと言われている(諸説あり)「SWOT分析」について、使い方、コツを解説します。なんと[…]

・会社で事業戦略や戦術検討を担当する部門に属する方
・副業を始めたいけれども、今、副業を初めていいものか悩まれている方
・スキルアップのためにマーケティングの知識を体系的に身につけたい方

ファイブフォース分析の意味・目的

ファイブフォース分析とは、「業界」取り巻く外部要因を5つの観点で整理して分析を進めるフレームワークです。

5つの観点は以下のとおりです。

①新規参入の脅威
②代替品の脅威
③売り手の交渉力
④買い手の交渉力
⑤業界内の競争

①「新規参入の脅威」、②「代替品の脅威」については、「PEST分析」で分析した「技術的な要因」や各要因の脅威を活用することが出来ます。また、③〜⑤についても、「PEST分析」の「ライフスタイルの変化」や、「経済的な変化」を再度整理し直すことで対応することが可能です。

ファイブフォース分析を進めることで、業界全体のKSF(Key Success Factors)=業界の主要成功要因を把握することが出来ます。これを把握することによって初めて、自社はどういった戦略を立てていくべきかを検討することが可能となります。

一般的にKSFを満たすプレイヤーが業界の1番手であることが多くなりますが、そこに追随すべきか、違う路線を見出すのかを検討する材料を見つけ出すことが目的となります。

また、複数の業界をこのフレームワークで整理することで、業界毎の魅力度を比較することも可能となります。新規事業を立ち上げていく中で、魅力的な市場であるかは非常に重要となるため、この分析をまず行なう必要があります。

施策を検討する前段階で実施すべき分析であり、「PEST分析」と組み合わせることで抜け漏れなく外部環境を把握することが期待できます。

ファイブフォース分析のやり方と具体例のご紹介

それでは、それぞれの項目について、具体的な事例を元に実際の分析のやり方について解説をしていきます。

特定の業界を例に挙げた方がイメージが湧きやすいので、ここでは「ショッピングセンター業界」を例にあげて解説をしていきます。

①新規参入の脅威

ショッピングセンターを開業するためには、広大な土地と一定の周辺人口が必要となります。一時期、規制緩和に伴うイオンモールの大量出店時代はありましたが、基本的にショッピングセンターは装置産業であることから、新規参入の障壁は高いといえます。一方、小型都市型のショッピングセンターであれば、ローコストでの出店が可能であることから、脅威となりうることが想定されます。

②代替品の脅威

代替品としては、ECサイトが最大の脅威であります。リアル店舗で購買するのではなく、ネット上での購買が日常化しているため、わざわざ店舗に出向く必要性が薄くなってきています。全ての需要をECサイトに持って行かれてしまうと、ショッピングセンターの役割、必要性が薄れていくことにつながっていきます。

③売り手の交渉力

ショッピングセンター業界における売り手とは、ゼネコンを意味します。昨今の人手不足により、工事費は高騰しており、売り手の交渉力は年々高まっています。一方、断続的なプロジェクトを策定できれば、新たな人材リソースの確保が不要となるため、交渉力を下げる余地が生まれます。

④買い手の交渉力

ショッピングセンター業界における買い手とは、テナントを意味します。テナントの交渉力は施設の集客力によります。集客が期待できる施設であれば、相応の賃料を収受出来ますが、集客が期待できない施設は賃料が安くなります。また直近では、アパレル業界の不振が継続していることから、他業種と比較して交渉力は低くなっています。一方、雑貨業態やユニクロのような巨大店舗は好調を維持していることから、交渉力は高いといえます。また、ショッピングセンター自体は増加していることから、テナントは施設を選べる立場にあり、買い手の交渉力は高い状況が継続すると想定されます。

⑤業界内の競争

ショッピングセンター業界は競争の激化が進んできました。規制緩和による大量出店時代を越え、淘汰の時代に入っています。差別化をしない限り、淘汰の対象になり得ます。集客力のある駅ビルや、広大な面積を誇る郊外に特化した施設等、特色を作っていく必要があります。

以上、ショッピンセンター業界におけるファイブフォース分析を具体的に実施してみました。結果、外部環境の圧力が非常に強い業界であると言えます。今後新規事業として、ショッピングセンター業界に参入するには相当のハードルがあることがわかりますね。

一方、すでにショッピングセンター業界にいるプレイヤーは、業界のKSFを把握し、戦略を立案していく必要があります。業界で成功するためには、集客エンジンを有することと、ECサイトとの融合により、魅力度を上げた施設になる必要があると想定されます。

ここまでを総括すると、今後は、テナントのバリエーションや鮮度で勝負するのではなく、新しいプラットフォーム業態としての立ち位置を確立することが成功するための道筋であると言えるかと思います。

ファイブフォース分析における3つのコツ

実際にファイブフォース分析を進めていく中で注意すべき事項についても解説させていただきます。

ポイント、コツは大きく分けて3つありますが、これを意識することで、より意味のあるファイブフォース分析をすることが出来ます。

①目的を見失わない
②出来るだけ、定量的なデータを用いる
③中長期的な視点を持つ

それぞれ補足をしていきます。

①目的を見失わない

常に何のために分析をしているかを意識し続けることが重要です。基本的には業界のKSFを探し出すことが最大の目的になります。このファイブフォース分析のフレームワークでは、具体的な施策までは検討する必要はありません。それはSWOT分析等、他の分析手法で検討する方が抜け漏れが少なくなります。

あくまで、業界が魅力的か?という問いに答える視点を持って分析をすることで、業界全体の方向性、成功要因を導き出すことが出来ます。

②出来るだけ、定量的なデータを用いる

時間がない中ですと、どうしても主観が大きくなってしまいがちですが、出来るだけバックデータを用いて要因を積み上げていくことが重要となります。フレームワークの最大の弱点は、なんとなく正しいと思ってしまいがちになることです。整理した情報の信憑性が崩れた瞬間、信用度が著しく棄損してしまいます。

先述のショピングセンター業界の事例でいうと、施設数の推移や、撤退数、平均賃料の推移など、統計情報が公開されているものは出来るだけ多く集めておく必要があります。

③中長期的な視点を持つ

どうしても目の前の状況にフォーカスしがちになってしまいますが、中長期的な視点を持つことも重要です。例えば、現在コロナにより様々な業界で状況が変化しているかと思います。一方、ワクチン開発後は一定の水準まで状況が回復することも想定されます。この状況を把握しておかないと、競合に先を行かれることにもなってしまいます。ある程度、先を見据えた要素も取り込むことで、リスクやチャンスを取りこぼすことを減らすことが出来ます。

ファイブフォース分析のまとめと活かし方

以上、ファイブフォース分析について解説をしてきましたが、内容のまとめは以下のとおりです。

・ファイブフォース分析とは、ある業界を、①新規参入の脅威、②代替品の脅威、③売り手の交渉力、④買い手の交渉力、⑤業界内の競争の5つの観点から分析し、業界の魅力度、KSFを探すフレームワークである。
・「PEST分析」を併用することで、漏れなく外部環境を把握することができる。
・3つのコツを押さえることで、より有意義な分析を行うことができる。
闇雲に自社の分析から施策や事業戦略を進めてしまうと、大きな手戻りが発生し、戦略の方向性を見誤ることにつながります。まず、外部環境を把握することがマーケティング上も非常に重要であります。
さらに、副業を始める上で、どういった副業を始めるべきか、まずは外部環境の分析をすることをオススメします。
ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました!

【他のフレームワーク分析を先に知りたい方はこちらもご参考にしてみてください】

関連記事

こんにちは!オタマロです。今回はマーケティングの父であるフィリップ・コトラーが提唱するPEST分析について、具体的な取り組み方について解説させていただきます。PEST分析は自社を取り巻くマクロ環境を整理することで、事業の戦略[…]

関連記事

こんにちは!オタマロです。今回は、マーケティングの超基本である「3C分析」について、具体的な内容と分析のコツについて解説させていただきます!この「3C分析」という手法は、大前研一さんが、1982年に「The Mind of […]

関連記事

こんちには!オタマロです。今回は、1960年代から1970年代にかけてスタンフォード研究所を率いたアルバート・ハンフリー氏が提唱したと言われている(諸説あり)「SWOT分析」について、使い方、コツを解説します。なんと[…]

twitterやってます!